毎日暑いですね!街路樹の木陰が、ありがたいです。
今回のブログは、1か月ほど前に終わった、わたしのささやかな探索の旅について書かせて頂きます。
6月の梅雨に入るか入らないかの頃、職場の人に『これ、松露?松林にたくさん落ちてるっちゃんね。』と、小さな豆のようなものを1粒渡されました。白っぽくて表面にコゲ茶色の点がついています。硬くて丸い形です。
『何だろう。』松露は見たことないし、松露饅頭にも似ていなかったので、『違うと思います』と言いつつ、その「豆のようなもの」についてはしばらく忘れていました。
そして1週間くらい経ったころ、小2の娘と小学校の中を歩いてたら・・・
私:『あ、これなんだっけ。』 娘:『あ、サンガンレン。』
あの「豆のようなもの」が、下に落ちていたのです。小学校には250本もの松の木があります。
『やはり、これは松に関係のあるものなのだろうか・・・』。急にその正体が気になりだしました。
(「サンガンレン」というのは娘が勝手につけたあだ名でしたが、暫定的にここでもその豆を「サンガンレン」と呼ばせて頂きます。)
それからというもの、わたしは歩くときにはいつも下を見て、サンガンレンを探すようになりました。小学校の松林にも、小学校周辺の道路にも、イチョウの街路樹の根元にもありました。
『もしかして、虫かな。』おそるおそるふたつに割ってみると、胚芽みたいなものがあり、やはり何かの種のようです。そして、果肉がないので裸子植物だろうという見当をつけ、針葉樹の種の可能性が高いかな、と考えました。針葉樹の図鑑をしらべたり、松の実で画像検索したりしましたが、ヒットしません。
ひょっとして樹木の幹に寄生する(松にもよく着いている)、ノキシノブの種かと思いましたが、ノキシノブはシダ植物なので種ではなく、胞子です。
このようにして、わたしの悶々とした2週間が過ぎました。(もちろん、仕事もちゃんとしておりました)
そしてその2週間に決着をつけたのは、夜にとても強い風雨があった日の翌日でした。
出勤していると、歩道に白くて丸い小さいものが落ちています。
『あ、サンガンレンだ!』
よくよく見渡してみると
『サンガンレンが、たくさん落ちている!!』
さらにしゃがみこんで探すと
『あっ!これはー!!』
黒い実が踏みつぶされて、中からサンガンレンが出てきています!
上を見ると・・・?
【タブノキ】の黒い実がたくさんついています。
そうです。サンガンレンの正体は、タブノキの実の種だったのです。つまり「被子植物の種」であり、「松露」でも「虫」でも「裸子植物の種」でも「ノキシノブの種」でもなかったのでした。
こうしてわたしのささかな探索の旅は終わりました。(今はもう下ばかり見て歩いているわけではありません。)
それでは、なぜこれが松林やいろんなところに落ちていたのでしょうか。
ここから先は推測です。
タブノキは アボカドに近い種類の木で、その実は鳥に人気なのだそうです。鳥が食べて、松林やいろんなところでフンをして、雨がフンを洗い流して、サンガンレンだけが残ったのではないか、と考えています。
鳥による種子散布。タブノキの生き残り戦略ですよね。素晴らしいです!
しかし、鳥による種子散布のおかげで、わたしのささやかなサンガンレン捜査が攪乱されたのは、言うまでのありませんが・・・。
以上、みどりに対する探求心を失わずにいたい、みどり課企画推進係でした。
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