2015年01月23日
総務課
○福岡市の冬の花「サザンカ」と「ツバキ」は、よく似ています。
両方とも同じツバキ科のツバキ属です。
花の付き方や形が異なっているようで、見分けるのが難しい気がします。
ツバキの花は、白色、桃色系、紅色、黒紅色、紫色、ほかに白色に出る絞り、紅色に現れる斑入りもあり、多彩で多様です。
花弁は5枚で、花の大きさは約8cm(中輪)位のものから約12cm以上(大輪)まであり、花弁の下部は、合着(くっついて一つになる)し筒状になっています。
サザンカの花は、桃色、赤、白等があり、花弁は5枚で、ツバキと異なり合着せず、平らに咲いた状態に咲きます。
サザンカは花弁が細長く一枚ずつ分かれてバラバラと散り、ツバキは花ごと落ちるので、地面に落ちた花で違いを確認することができます。
また、葉縁がギザギザしていることや芳香があることもツバキと異なります。
○さて、冬場に咲く花を求めて、10月末から2月がサザンカの開花期ということで、粉雪舞う中、道の駅吉野ケ里の近くの千石山を訪れました。
千石山のサザンカは自生北限地帯として国の天然記念物に指定されています。
遊歩道に向う途中の看板を見ると、見頃は10月中旬から11月下旬までとなっていました。
折角来たので、しばらく探してみたところ、ようやく、白い花を二つ見つけました。
見頃であれば、まっ白な花がいくつも咲き乱れる様は、さぞ美しかったことでしょう。
○翌週はリベンジとばかり、北九州市門司区の海を見下ろす小高い丘(山頂が標高111m)にある白野江植物公園を訪れました。
早速、サザンカの花びらがバラバラと散って落ちているのを見つけました。
ツバキは咲いてなかったので、比較できなくて残念でした。
○サザンカと言えば、童謡「たきび」の二番の歌詞「さざんか さざんか さいたみち・・・」で登場しますが、寒い中、サザンカを見に行ったので「たきび」で暖まりたい気分でした。
○サザンカは、中国語でツバキ科の木を「山茶」といい、その花を「山茶花」と称したことに由来します。
「山茶」と呼ばれる由来は、葉がお茶のように飲料となることから、「山に生える茶の木」の意味があり、日本では中世に「山茶花」の名が現れます。
当時は「サンザクヮ」と文字通りの発音でしたが、これが倒置現象によって江戸中期頃から「サザンクヮ」となり、「サザンカ」となったそうです。
古くは「山茶花」は、「椿」と同じ意味の漢語として扱われ「日葡(ポ)辞書」でも「ツバキと呼ばれる木の花」と解説されていて、江戸時代に入り、現在でいう「サザンカ」を指すようになったそうです。