街路樹の傷の治療
街路樹は車道のすぐ横に植えられているので、
ときどき事故などで傷が付くことがあります。
樹木は自分の力で傷を塞ごうとしますが、
大きな傷になると治るまでに時間がかかってしまい、
その間に傷口から病原菌や害虫が侵入して弱ってしまうことがあります。
そこで、早期の回復を助けるために傷の治療を行います。
中央分離帯のクロガネモチに車が衝突しました。
幹の周長の2割ほど樹皮が剥離していました。
この程度であれば治療可能です。
樹皮が潰れている箇所、剥がれている箇所を鋭利なナイフで切り取ります。
殺菌と乾燥防止効果のあるペーストを塗布します。
乾燥後、ペーストを上塗りします。
乾燥防止と紫外線対策のため、フィルムを巻きます。
治療箇所保護のため、緑化テープを巻きます。
このような処置を行うと早期に傷口が塞がります。
この写真は別の木ですが、処置後1年余り経過した傷口です。
4cmほど組織が盛り上がって、さらに傷口を塞ごうとしています。
これも別の木ですが、処置をしないで放置したため傷口がうまく塞がっていません。
こうなると、
傷口から病害虫が侵入→樹勢悪化、枯死
腐朽菌が侵入、木部を侵蝕→倒伏
といったリスクを抱えることになります。
樹木の損傷が大きく、回復の見込みがない場合や、
道路通行に危険を及ぼす恐れがある場合は、
やむをえず樹木撤去、という場合もあります。
樹木の傷治療は、早ければ早いほど効果が高いです。
街路樹を傷つけてしまった、傷を発見した、というときは、
街路樹管理者にご連絡をお願いします。
緑地環境課 街路樹係のNでした。