2011年11月30日
緑地環境課
やっと寒くなってきて、山も綺麗に紅葉し始めました。
赤い葉を付けた樹木は美しいですが、最近紅葉するはずのない樹木まで赤くなっています。
この写真、何の木かわかりますか?アップはこちらそう、これはマツの木なんです。
普通の青々としたマツの中にいきなり赤くなったマツが現れて、驚いた経験のある方もいるのではないでしょうか。
なぜ普通は一年中緑色をしているはずのマツの葉がこんなに真っ赤になっているのかというと、
実はマツが病気にかかっているからなんです。
これはマツ材線虫病という名前の病気で、マツノザイセンチュウという虫がマツノマダラカミキリを媒介にして
マツに侵入することで症状が出ます。
この虫が侵入すると、樹木の内部で水分がうまく移動しなくなり、その結果急激に葉が枯れて赤くなります。
そして普通の紅葉と違って次の年以降に芽吹くことはなく、そのまま樹木全体が枯れてしまいます。
葉が枯れるのは病気の最終段階であり、こうなると伐採するしかありません。
また、上に書いたとおりカミキリムシが媒介となるため、他のマツにカミキリムシが移動してしまう前に
伐採・処分を行うことで、被害が拡大するのを防ぐことにつながります。
しかし、カミキリムシは数キロ(!)も移動するとも言われており、ある場所で感染してしまったマツを
完全に撤去しても他のところからカミキリムシがやってきてまた被害が出る・・・ということもありえます。
どうやったらこの松枯れの被害を食い止められるのか、全国でも色々と試行錯誤されていますが
まだ完全に防ぐ手段はないようです。
枯れてしまったマツはすぐに撤去しますので、もし公園のマツが枯れているのを見つけたらぜひご一報ください。