2015年08月17日
総務課
古典園芸の東洋蘭栽培に挑戦! ... 古くは聖武天皇の時代に唐から献上され、以来日本でも広まってきたとのことです。
昨年4月から職場の先輩に手解きを受けて、蘭の栽培を始めました。蘭と言っても多種多様、東洋蘭の中でもあまり馴染みのない寒蘭です。東洋蘭には、全国的に自生し春に花が咲く春蘭の方が一般的だと思いますが、私が栽培しているのは秋に花が咲く寒蘭です。日本では温暖な黒潮流域である九州、四国、紀伊半島の南部の海岸沿い地方で産出されているそうです。
元々、山麓の林の中で水はけや風通しが良く適度に日が差すところに自生しており、半陰性植物と言われ直射日光下では育ちません。似たような環境作りとして我が家の狭いスペースを工夫して家と納屋の間に木材を組み合わせて小屋のようなものを作りました。園芸の書物によると遮光しながらも8千~1万ルクスの光は必要で、光が強いと葉が日焼けして緑色が薄くなり光が不足すると花色の発色が悪くなる、その加減が難しい。
また、気温が下がる冬場は、家の中に移し、縁側のカーテン越しに置いています。
鉢植えに使う用土ですが、さつま土7割に、日向ぼら土1割、焼き赤玉土1割、ゼオライト1割を混ぜて使っています。さつま土は、大粒、中粒、小粒の三種類を用意。鉢の底から5~10㎝は大粒、その上に中粒、上層部5㎝くらいは小粒を使っています。また、新しい用土は3~4日間水に浸しておいて植え込む一日前に打ち上げて使うのが良いようです。もし、乾いたままの用土で植え込んだ場合は直後の潅水を十分にする必要があり、1週間くらいは毎日潅水しなければなりません。
通常の潅水は夏場で3~4日に1回、春と秋は4~5日おき、冬場で7日おきに行っています。鉢底からザーッと流れ出るくらいにたっぷりと、また、その都度鉢の受け皿の水は流すようにしています。
全般的に手が掛かりそうで大変ですが、きれいに咲かせることができればと楽しみでもあります。施肥に天然動物質有機肥料(写真中央)を1鉢に5~10粒ずつ蒔きます。新芽が出る7月、9月、開花の11月に、年三回施しています。殺虫剤は、アブラムシやカメムシなどの吸汁性害虫防除に粒剤(写真右側)を使用。6月~12月間に月1回程度散布。また、ハモグリバエ類の防除に液剤(写真左側)を4月~10月間に月1回、葉に噴霧しています。
また、7月には新芽が出てきて葉が伸びてきますが、見かけを良くするために、多少間引くと良いと聞いています。新芽をピンセットで摘まんで左右に揺らしながら引っ張ると簡単に抜けてしまいます。
さらに9月頃には花芽も伸びてくるので、真っ直ぐに伸びるように針金などを立てて添わせるようにします。この他、きれいに見えるようにするためには種々のテクニックが必要なようですが、発展途上の我が技量なので、これから習得していきたいと思っています。
下の写真は昨年11月に咲いたものです。始めたばかりで花が咲いたのでそれだけで満足していました。しかし、後日、展覧会などに参加して専門家の話を聞かせてもらうと、種々の評価の仕方があるそうです。まずは全体的に均整がとれているか、たとえば鉢の高さ、葉の長さ、花茎の長さがそれぞれ3分の1ずつなっているか。そして、花の香りや色つき、形、さらに葉の色調や形など、特に花びらの付き方が、一番上から正面、次に右向き、左向き...と変化があるか(意図的に花びらの向きを調整できる方法があるそうです)などの視点から品評されるとのことです。その点恥ずかしながら私のものはお粗末な出来映えと言うことになります。そこで、今年は昨年以上のものを意気込んでいますが、どうなることでしょう。
日光(土佐産) 金鶏(土佐産)
南国(土佐産)