街路樹の傷の治療 その後

2015年11月05日

みどり課

2014年2月18日のブログ「街路樹の傷の治療」の続報です。

 

樹木にも人間と同じように、自分の力で傷を治そうとする力があります。

傷口からじわじわ少しずつはみ出して、かさぶたのように塞いでしまう細胞組織を「癒合組織」と呼んでいます。

kurogane.jpg

上の写真は以前のブログで治療状況を紹介した樹木ですが、

あと1年ほどで完全に塞がってしまうでしょう。

 

 

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こちらの木では中心部の数センチを残して傷口がほぼ塞がっています。

 

この2例を見ると、どちらも1年で2.3cmほどのスピードで癒合組織が盛りあがって、

傷口が塞がっていく様子が観察できました。

 

以上のように、事故による樹皮の剥がれが軽微であれば、治療によって回復が可能です。

ただ、早期にちゃんとした治療をしないと、小さな傷口からでも病原菌や腐朽菌が侵入して

病気になって枯れたり、内部が腐って木が倒れてしまうなど、あとあとになって問題になってくることがあります。

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この写真は、事故後に適切な治療が行われなかったため、

癒合組織が傷口を塞ぐことができず、内部の木部組織が腐朽してしまった例です。

その後、幹折れ倒伏の危険があると判断したため、残念ながら撤去しました。

 

このような結果にならないよう、街路樹に傷をつけてしまった、または街路樹の傷を発見したというときは、

緑のまちづくり協会の街路樹係までご連絡をお願いします。

 

これ以外にも、交通事故で街路樹に車が衝突する例がいくつかありましたが、

中には街路樹がなかったら事故車両が歩道を横断して民家や店舗に突っ込んでいたのではないか?

と思われるものもありました。

交通事故の被害を軽減するという街路樹の役割をちゃんと果たしているなぁと感じました。

 

以上 街路樹係のNでした。


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