戻る
巨大なクスノキ
2011年05月24日
緑地環境課
みなさまこんにちは。緑地環境課です。
今回は、大きな
クスノキ
のお話です。
公園や街路樹、野山にふつうにある珍しくもない木ですが、寿命が長く、幹がとても太くなります。
おもに九州や太平洋側の温暖な地域に巨樹が存在し、樹齢は推定3000年、幹回りは20mを超えるものがあります。
福岡市近辺では、大宰府天満宮や宇美八幡宮に、国、県指定の天然記念物の巨樹を含むクスノキの森があります。聖域の雰囲気も相まって、まさに荘厳といった景観です。自分が小人になった気分になります。
福岡市内にも幹回り1.5mを超える大きなクスノキが、神社や街路樹、公園、個人宅の敷地内、オフィスビルのオープンスペースなど、人の目に触れるところにたくさんあります。これらのなかには都市景観の維持のため福岡市の
保存樹
に指定されているものもあります。
その中から、神社の境内や民家の敷地にお邪魔することなく、通りすがりに見ることができるクスノキの巨樹をいくつか紹介します。
東区
香椎宮参道
JRの踏切を渡り、鳥居をくぐると香椎宮まで約600m、みどりのトンネルです。道の両側に延々続く巨大な幹の列に圧倒されます。
南区
大橋老司線
(みやけ通り)
市街地に突如、巨大な緑の塊が現れます。
3本の巨樹が道路のそばにあり、幹の間に歩道が敷かれています。
手前はクスノキ、奥の左はチシャノキ、右はムクノキの保存樹です。
城南区 干隈1丁目
こちらは民家の敷地にある保存樹です。
西南杜の湖畔公園
から北に入った住宅地にあります。
とても美しく管理され、祠が祀られています。
樹勢も旺盛で、力強い枝振りに威厳を感じます。
中央区 天神1丁目9
アクロス福岡の西にあります。この付近では天神中央公園の中にも大きなクスノキがあります。
このクスノキは根元付近に治療の跡があります。
中央区 大名2丁目6
西鉄グランドホテル前の緑地にあります。
ビルの谷間で憩いの空間になっています。
これら巨樹を見上げた時、地域の歴史を見守り、周辺環境の変化にも耐えて生き続けてきた生命に、畏敬の念を抱かずにはいられません。
また、これらの巨樹を保護するために、高い技術力と地域の人々の努力が積み重ねられていることも読み取ることができます。
これからも地域の巨樹を大切にしていきたいですね。
ここでちょっとご注意。
樹木の根は土から水を取り込むだけでなく、土の中で呼吸もしています。根の周辺の土を踏み固めてしまうと水と空気が根に届かなくなり、樹木全体が衰弱する原因になります。巨樹を訪ねるときはマナーを守って遠くから眺めるようにしましょう。
また民家の敷地内の保存樹は、所有者の方の高い志(こころざし)によって管理されています。所有者や周辺住民の迷惑にならないよう、訪ねるときは節度と感謝をもった行動を心がけましょう。
最後に、クスノキの保護と保存樹に関する文献を紹介します。
〇巨大クスノキの研究 太宰府天満宮クスノキ樹勢回復への挑戦
編集:樹木養生会議 発行者:財団法人 大宰府顕彰会
※福岡市総合図書館に蔵書があります。
〇
保存樹の保全に関する基礎的検討 所有者の意識と周辺住民の評価
次回をお楽しみに。緑地環境課でした。
スタッフブログトップ
Copyright © 2013 Fukuoka City Greenery Town Planning Association,All rights reserved.