花と緑によるまちづくり活動に顕著な功績があり、市民共働のまちづくりに積極的に取り組む団体を表彰する「花と緑のまちづくり賞」が決定しました。福岡市緑のまちづくり協会は、今後も市民共働のまちづくりの推進をめざして、当賞を通じて花と緑のまちづくりを推進して参ります。
●表彰の対象
前年度までに「都市緑化及び都市公園保全美化運動並びに花と緑のまちづくりの推進に功績のあったものに対する市長表彰」の「花と緑のまちづくり地域活動功労者」を受賞し、かつ活動を5か年以上継続している団体が対象です。
令和2年度の対象団体は花づくりの活動をされている団体、緑の保全管理をされている団体合わせて123団体でした。
●審査の視点
良好な環境づくり(デザイン性、管理状況)
他の模範となる活動(会員活動、団体の外に向けた活動)
●審査の経過
1.事務局による予備審査により、123団体から10団体を選出
2.事務局によるヒアリング調査及び現地調査
3.審査委員による書類審査により、3団体を選出
● 総 評 審査委員長 髙宮 さやか
本年のコロナ禍の中でも「花と緑のまちづくり」はたゆみなく続けられており、酷暑のなかで涼し気に花を咲かせ
ていました。今年は特に、土づくりにおいて堆肥を自前で調達したり、自家生産して投入する取り組みがあり、落ち
葉のリサイクルから始まった団体もありました。同時に花苗を自家生産し、近隣の施設や学校に供給している団体が
目立ち、このことは地域の花と緑をどれほど底上げしていることか、計り知れない力となっているはずです。
今回受賞された「はかた夢松原の会」は福岡ではお馴染みですが、その活動開始から早や 33 年になるとのこと。
長きに渡るマツの植林活動と次世代育成活動に改めて敬意を表します。博多湾は白砂青松を取り戻すことができま
した。また、「舞鶴公園フラワーボランティア」は、当市の緑のコーディネーターさん達が花壇はもとより、堆肥づ
くりから育苗まで行い、その苗は市内各地に提供されています。この緑のコーディネーターの制度そのものが「福岡
モデル」として他都市の参考になることを願っています。もう一団体「美和台校区花いっぱいにする会」の街路花壇
は堆肥を調達しての土づくりからですが、その効果は一見して明らかで、植付や除草の施工品質が高く、その結果大
変ボリュームのある美しい仕上がりとなっています。花壇研修会や花壇見学会を行うなど、勉強熱心な点も窺えまし
た。
多くの団体の皆様が、今年、この酷暑の中、コロナ対策をしながら灌水作業を続けられたことを思うと頭が下が
ります。どうか体調を第一に、来年の春も見事な花を咲かせてください。
「水と緑とまちづくり」をテーマに福岡の環境を守る活動
【活動場所】博多湾沿岸(生の松原~海の中道)、国体道路沿い花壇
【会員数】約100名
【結成】昭和62年
【活動頻度】松林保全活動(植樹、間伐) 年2回
水源地視察 年2回
花壇管理 年間通して
【活動のきっかけ・目的】
地行、百道、姪浜の3地区2.5キロに及ぶ広大な人工海岸に松原を復元したいと植樹開始。
現在は松林の保全活動、街路花壇の管理、水源地への視察など幅広い活動を通して地域の環境ひいては地球環境の保全並びに快適環境の形成に寄与することを目的として活動している。
【評価された点】
これまでに成木約3,500本、苗木約50,000本のクロマツを33年間にわたって植栽し、見事に白砂青松を復活させ現在の博多湾の景観を形作りました。成長した松原は防風、防潮、防砂の効果を発揮して福岡市の環境保全に貢献しています。
また、企業等をまきこんだ松原の保全管理、水源地のへ視察や子どもたちの環境教育、学生や周辺店舗と協働しての街路花壇の管理など活動内容は多岐にわたり、活動年数の長さ、活動に関わる人数ともに圧倒的な幅広さが高く評価されました。
舞鶴公園の花壇から福岡市内に広がる活動の輪
【活動場所】中央区 舞鶴公園 103㎡
【会員数】26名
【結成】平成26年
【活動頻度】植替え 年2回
草取りと水やりは随時
【活動のきっかけ・目的】
「舞鶴公園」をPRするために花壇をつくろうという目的のもと福岡市緑のコーディネーターを中心として西広場にある花壇を手掛けることになった。
2つの公園の接点の花壇に花を植えることで、市民に憩いと心の安らぎを与えたいと思い活動している。
【評価された点】
多くの人が利用する福岡市の顔となる公園で、来園者に喜んでもらえる花を取り入れたボリュームのある華やかなデザインの花壇になっています。さらに、自作の育苗施設や堆肥ヤードがあり、花壇に使用する花苗や堆肥を自分たちでつくり、花壇の環境に合わせた材料を費用を抑えて調達する工夫をしています。
また、会員の多くは福岡市の緑のコーディネーターであり、当団体で育てた苗や技術をそれぞれが地域で広め、福岡市内の様々な場所に花づくりの輪を広めている点が高く評価されました。
校区に広がる、デザイン性に優れ管理の行き届いた花壇
【活動場所】東区美和台校区の福工大前駅、西鉄三苫駅、交差点、公園など7か所 130㎡
【会員数】約30名
【結成】平成16年
【活動頻度】植替え 年2回
草取りと水やりは随時
【活動のきっかけ・目的】
戸建て住宅が多い地区で、地域の交流を図るために活動を開始。
地域に広がる花壇の管理活動を通して美化活動を推進することにより、住民の意識を向上、地域コミュニティの活性化を図り、明るく清潔で平和なまちづくりを目指して活動している。
【評価された点】
美和台校区内の7か所に点在する花壇について、各花壇を担当する会員が細やかに手入れを行い、個性豊かなデザインの花壇となっています。生育の基盤となる土づくりを重視している点や、詳細な図面を作って植栽している点など長年の経験を生かした管理方法により、いつでも生き生きとした花が咲いているように管理されています。
地域に広がる花壇管理活動を通して、地域コミュニティを活性化させ、地域の環境改善に関心を示す人を増やしているという花の持つ社会性を活かした活動が高く評価されました。