花と緑によるまちづくり活動に顕著な功績があり、市民共働のまちづくりに積極的に取り組む団体を表彰する「花と緑のまちづくり賞」が決定しました。福岡市緑のまちづくり協会は、今後も市民共働のまちづくりの推進をめざして、当賞を通じて花と緑のまちづくりを推進して参ります。
●表彰の対象
前年度までに「都市緑化及び都市公園保全美化運動並びに花と緑のまちづくりの推進に功績のあったものに対する市長表彰」の「花と緑のまちづくり地域活動功労者」を受賞し、かつ活動を5か年以上継続している団体が対象です。
令和4年度の対象団体は花づくりの活動をされている団体、緑の保全管理をされている団体合わせて148団体でした。
●審査の視点
良好な環境づくり(デザイン性、管理状況)
他の模範となる活動(会員活動、団体の外に向けた活動)
●審査の経過
1.事務局による予備審査により、148団体から7団体を選出
2.事務局によるヒアリング調査及び現地調査
3.審査委員による書類審査により、3団体を選出
● 総 評 審査委員長 髙宮 さやか
今年は森の活動が目を引きました。曲渕で活動されている「市民緑化活動グループ「わたしの木」」は、水源涵養林である活動区域内の竹林化を食い止めることに成功されました。この大仕事がわずか13名のボランティアによってなされたことに驚きを禁じ得ません。福岡は水資源に恵まれない都市です。感謝と敬意を表するとともに今回の受賞が後継者増につながることを願っています。「ぐりーんぱんだ」は住宅街の保全緑地で竹林整備や自然観察会などの活動をしています。活動には、地域に住む親子が参加し、得意分野を持つ会員が指導しています。会員の打合せは、オンラインで行うなどこれからの運営方法として注目です。また、「ふくおか花と緑の連絡会」は花壇以外にも活動メニューがいろいろとあり、多様な人材が集まっています。このような従来にはなかった組織運営が活動を継承し裾野を広げており、ボランティア新時代を予感させます。
一方、古くから地域で大切に培ってきた防塁跡の松林維持活動は、地域を超えて福岡を代表する海辺の風景を形作っています。このように福岡の森林や花にあふれる街角は「花壇あれば花団体あり」と言えるほど多くの団体によって支えられており、このことはもうすでに「一人一花」が福岡に根付いていることを証明しているのかもしれません。
活動場所:城南区七隈1丁目11(七隈緑地)
竹が繁茂して鬱蒼としていた七隈緑地が、竹の伐採やタケノコ駆除を継続して行うことで明るいフィールドへ生まれ変わっています。伐採した竹や樹木を散策路や工作に使用する、落ち葉を堆肥化するなどのSDGsを実践するとともに、環境教育としてそれらの取り組みを紙芝居やパネルで子どもたちへわかりやすく伝えています。
また、会の活動は七隈緑地だけでなく市内の公園、小学校などにも広がっており、活動ではボランティアスタッフが運営に参加しています。親子連れの参加者が多く、ボランティアスタッフが別の地域で森づくりを始めるなど、森と地域を育てるとともに、将来森づくりに関わってくれる人材を育てているという点も高く評価されました。
活動場所:早良区曲淵道添
福岡市内水道水の水源となっている森林を守るという大きな志のもと、竹除伐、下草刈りを中心とした森林整備を継続して行っています。活動開始当初は竹に浸食されていた森林が、現在ではヤマザクラやイチョウ並木が現れ、明るい広葉樹の森へと変貌を遂げたことが高く評価されました。
また、伐採した竹は水鉄砲、門松、竹灯籠などの材料にし、資源の再利用にも取り組んでいます。その他にも、自然観察会や森林整備の体験会、水でっぽう講座、門松づくり講座など、子供から大人まで様々な年代の人を対象として行っている活動は、「水源涵養林」を守り、創り、育てることの大切さの普及につながっています。
活動場所:東区原田4丁目(箱崎公園)
当会の花壇は多くの人が利用する箱崎公園の入り口にあり、多年草や一年草が花壇の環境に合わせてバランス良く配置され、四季折々の花が来園者をむかえてくれます。
また、緑のコーディネーターを中心に多彩な人材が所属しているため、花壇づくりの他にもネイチャーウォッチング、花に関するクラフト講座など様々な内容の依頼に対応できる体制が整っており、イベントへの出展や公民館、学校、留守家庭子ども会等で開催される講座の講師など幅広い活動を行っています。活動を通して得た知識や経験を、会員がそれぞれのフィールドで発揮している点が高く評価されました。