平成15年から民有地の優れた緑化事例の顕彰を行ってきた花と緑のまちづくり賞は、市民共働のまちづくりを推進するため、今年度より花と緑のまちづくり活動に顕著な功績のあった団体を顕彰するものに生まれ変わりました。
福岡市緑のまちづくり協会は、今後も市民共働のまちづくりの推進をめざして、当賞を通じて花と緑のまちづくりを推進して参ります。
表彰の対象
前年度までに「都市緑化及び都市公園保全美化運動並びに花と緑のまちづくりの推進に功績のあったものに対する市長表彰」の「花と緑のまちづくり地域活動功労者」を受賞し、かつ活動を5か年以上継続している団体が対象です。
今年度の対象団体は花づくりの活動をされている団体、緑の保全管理をされている団体合わせて82団体でした。
審査の視点
良好な環境づくり(デザイン性、管理状況)
他の模範となる活動(会員活動、団体の外に向けた活動)
審査の経過
1.事務局による予備審査により、82団体から16団体を選出
2.事務局によるヒアリング調査及び現地調査により、6団体を選出
3.審査委員による現地調査により、最優秀賞1団体、優秀賞2団体を選出
総評
この度初めて「花と緑のまちづくり賞」の審査に参加させてもらいましたが、審査地を巡って強く感心させられたことがあります。それは、それぞれの活動が地域や地区のことを思っての自主的なものであったことです。また、それぞれの活動により街並みが花で彩られたり、地域の自然が保全・活用されたりし、市民がその恩恵を享受していました。このことは、実は花や緑をまちづくりにいかす根源的な事柄なのです。せっかく花壇づくりをしても、あまり気づかれず人にも花を見てもらえなければ、その花壇の価値は半減してしまいます。ですから多くの人に見てもらえる場所での花壇づくりは、共有するという点で重要なのです。また、地域に昔からあった森は、その地域に住む人々とともに育まれ、共生してきました。これを多くの市民が関与して保全し、将来に引き継ぐこともとても意義深いことです。
これらが複数の市民団体で実践され、継続していることが確認できました。今回受賞に至らなかった皆さんも、受賞者の活動を模範に福岡市を花と緑で素敵なまちにしてください。
審査委員長 和田博幸(公益財団法人日本花の会 花と緑の研究所 主任研究員)
活動場所 南区桧原(油山自然観察の森) 40,000㎡
結成 平成7年
会員数 50名
活動頻度 月2回
活動の目的 油山自然観察の森の保全活動を通じ自然に親しみ親睦を図ることを目的としています。カブトムシの森整備保全・アカマツ林保全・竹侵入地保全整備のほか、自然観察ハイキングや外部講師による勉強会・安全講習会などを開催。
評価された点
「明確なビジョンに基づいた意欲的な活動」
会で策定した五か年保全計画に基づき、カブトムシの森とアカマツ林の除間伐、下草刈り、落ち葉かきなどの作業に加え、植生調査、成木調査、幼木調査、昆虫調査など、市民による里山管理活動としてボランティア活動の域を超えた幅広い活動が特長です。
運営面では年4回のうん・えー会で運営方針や問題点の洗い出しを行うなど、会員内での意見交換が活発に行われ、会員が運営方針、目的を共有しています。
情報発信面では、HP、SNSなどの活用のほか、活動内容を詳細に取りまとめた会報「森ものがたり」を年4回発行。また市民を対象とした木工教室、観察会を開催し、森の楽しさを伝える取り組みも行っています。
さらに安全世話役を設け、計画書の安全対策の確認や年間計画で決めた安全講習会を実施し、伐採、除草の手順、安全対策、危険な動植物への対処方、救急救命などの講習会を行うなど、安全管理面においても高く評価されました。
活動場所 西区泉2丁目5(中牟田池) 100㎡
会員数 15名
結成 平成16年
活動頻度 1回/週
活動の目的 自然共生型ため池である中牟田池の良さを活かして、地域住民の憩いの場として親しまれるよう、四季折々の花を咲かせ、快適な環境の維持管理を行うと同時に、この活動を通じて地域住民の触れ合いの輪が広がることを目的に活動。
評価された点
「花の持つ社会性が発揮されている活動」
週1回の活動により、ひょうたん池の周辺に地域の憩いの場となる良好な水辺空間が創り出されています。
会で取り組む「ひょうたん池祭り」や、独居高齢者を対象とした「せんだんふれあい会」により、地域住民の交流の輪が広がっています。花の持つ社会性を生かし、地域コミュニティの活性化を図る活動が評価されました。
活動場所 大博通りフラワーポット77基、歩道植栽帯、地下鉄出入り口花壇 78m2
会員数 50名
結成 平成8年
活動頻度 1回/月
活動の目的 「博多のまちづくり」に取り組んでいる団体(博多部4校区自治連合会、博多区花いっぱいふれあい会、博多ごりょんさん・女性の会、博多大博通りクラブ)、子供会、博多小学校3年生が、「花と緑あふれる博多部の実現」を目指して活動
評価された点
「女性による企画、実践、発信力のある活動」
どんたく、山笠などを通じさまざまな形で博多のまちづくりに取り組んでいる団体が協力して作業にあたり、女性が中心となって花と緑があふれる大博通りにしようと、長年積極的に活動しています。
また、博多小学校の児童、水サポーターとして企業を花づくり活動へ引き込むなど、企画力と実践力が評価されました。