このコンク-ルは、うるおいと安らぎのある街並みづくりを推進する事業の一環として、花と緑によるまちづくりに貢献している緑化空間を表彰するものです。
総 評
選考委員長 岡本 均
「花と緑のまちづくり賞」は、昭和60年緑のまちづくり協会発足当初から実施している「緑のまちづくり賞」・「花壇コンクール」を統合したもので、部門、賞のランク・応募期間等の改定を経ながら、平成25年度までに約220ヶ所(活動)を顕彰し、福岡市における民有緑地の重要性のインセンティブを先導してきました。
11回目を迎えた、本年度の応募総数は24年度より8件多い63件で、「福岡市緑のコーディネーター」等による写真での一次選考の結果を踏まえ、二次選考では現地調査を行いました。
今回の選考経過の特徴は、対象作品に対しての改善点の意見が多かったことです。例えば、コンセプトと現実のズレ、今夏の特異な気象条件を背景とした、メンテナンスの不味さ等でした。これらは、技術面というより花や緑(命)に対する思いやり・気づき・目配りが大切であるということを改めて確認させるものでした。賞の対象となった4件は、これらの意見に耐えて残った作品であり、個別の講評に記されている通り、それぞれの立ち位置で花と緑のまちづくりに貢献している水準の高い緑化空間であり、なおかつ今後のあり方にも期待が寄せられたものです。
また、花や緑のしつらえで風格あるまちづくりに貢献することは、市民はもとより観光で訪れる人々へのおもてなしの原点だと思います。
私は樹の緑や花が大好きで庭作りを楽しんでいます。春は一番華やかに花が咲きますが、春夏秋冬と季節ごとの花が咲くように、宿根草を中心に花樹を育てています。道行く人に「今年もきれいに咲きましたね。」と声をかけられ、花や樹は人と人とを結び感動と元気をもらえます。自然で季節が感じられる庭をめざしていきたいとおもいます。
作庭 江島 悦子
ガーデニング歴は10年ほど。2007年秋に、‘薔薇の園を夢見て’庭の大改造を決行!完全無農薬栽培にこだわった結果、微生物と、益虫といわれる頼もしき助っ人達の営みによって、生態系のバランスのとれた庭が出来上がりました。
早朝、大きく育った木々の梢に鳥たちのさえずりが響きます…昼間、庭仕事に勤しむ私とイモムシ狩りで忙しないアシナガ蜂を横目に、クロアゲハが悠然と舞っています…お盆を過ぎた頃から、夕方になると秋の虫たちの涼しげな音色も聞こえてきます。
生き物たちを育む庭は豊かでとても心地よいものです。
今回の思いがけずのこの受賞で、蒸し暑いここ福岡でもオーガニックでガーデニングを楽しめるということがお伝え出来れば幸いです。
作庭 佐藤 佳世
閑静な住宅街に建つ2軒の家を利用した、アートギャラリー、フラワーショップ、ワインセラーを併設した施設です。広い敷地に広がる庭は、東側にガーデニング風の洋庭、西側に和風の茶庭と趣の異なった作りになっています。雑木や四季折々の草花が茂り、一年を通して市民の皆様に楽しんでいただけます。
設計・施工 溝江建設株式会社