花と緑によるまちづくり活動に顕著な功績があり、市民共働のまちづくりに積極的に取り組む団体を表彰する「花と緑のまちづくり賞」が決定しました。福岡市緑のまちづくり協会は、今後も市民共働のまちづくりの推進をめざして、当賞を通じて花と緑のまちづくりを推進して参ります。
●表彰の対象
前年度までに「都市緑化及び都市公園保全美化運動並びに花と緑のまちづくりの推進に功績のあったものに対する市長表彰」の「花と緑のまちづくり地域活動功労者」を受賞し、かつ活動を5か年以上継続している団体が対象です。
令和元年度の対象団体は花づくりの活動をされている団体、緑の保全管理をされている団体合わせて113団体でした。
●審査の視点
良好な環境づくり(デザイン性、管理状況)
他の模範となる活動(会員活動、団体の外に向けた活動)
●審査の経過
1.事務局による予備審査により、113団体から8団体を選出
2.事務局によるヒアリング調査及び現地調査
3.審査委員による書類審査・現地調査により、3団体を選出
● 総 評
審査委員長 髙宮 さやか
多くの活動を拝見し、地域の方々の地道な取り組みがこれほどまでに都市景観を温かく彩り、街並みを清潔にし、地域ひいては国土を保全するものであることに深い感銘を受けました。清掃から始めた住民活動の鏡のような街路、マンションの街路を庭のように慈しみ育てる団体、駅の中庭に季節を告げる植栽、福岡のセントラルパークとも言える舞鶴公園のシンボル花壇と花苗頒布活動、沿岸マツ林の保全活動等、いずれも「人の手が入ることが大切なのだ」と教えられる活動でした。
受賞された「大濠公園ガーデニングクラブ」の活動は低木・宿根草と一年草の組み合わせで費用を抑えつつもワールドコンテスト級の見映えのする設計、また花の種類をQRコードで紹介するアイディア、民間企業の助成金を利用、企業のボランティア研修を受け入れるなどの、他の団体にも是非参考にしてほしい内容です。
また「箱崎花の会」の活動は、枯損して荒れてしまった街路樹の補植に始まり、給水のない街路で水を持ち寄り、小学生を取り込んで未来の後継者を育て、街路樹だけの時よりも楽しい街並みを創出しています。
「フラワーアップ高宮」の取組みは、小学校が軸となり、生徒、PTA、花に詳しい地域の有志が一体となって学校外周花壇づくりで街並みを明るくするとともに、卒業式や入学式、夏休みや日々の登校を思い出深いものにしています。
日本は美しい国です。それは街が清潔であることも意味しています。そこにボランティアの志が花となってあふれていました。皆様の一層のご活躍を願ってやみません。
合言葉は「人の足音はお花の肥料」
福岡の顔、大濠公園にある多年草を中心にデザインされた花壇
【活動場所】大濠公園花壇 200㎡
【会員数】32名
【活動開始時期】平成17年
【活動頻度】1回/週(植替え…2回/年、草取りと水やり…随時)
【活動のきっかけ・目的】
福岡市民だけでなく、県外や海外からも沢山の方が訪れる、福岡市の顔ともいえる大濠公園で、四季折々の花が次々と咲く花壇を楽しんでもらいたいと活動を開始。花壇を通して世代を越えたコミュニティが生まれること、花を楽しむだけでなく心のきずなを結び付けたいと考え活動を行っている。
【評価された点】
多くの人で賑わう大濠公園のボートハウス前にあり、高さ、ボリューム、バランス、花の色等、様々な角度から楽しめる、周囲の景観にマッチしたデザインの花壇でした。また、多品種の宿根草を花壇の9割に配置して植え替えの経費と手間を抑える一方、デザインを守るため成長に合わせた管理を計画的に実施すること、一年草を上手く取り入れることで、四季を通じてボリュームが保たれています。
また、QRコードによる花の紹介、民間企業の助成金を活用、企業ボランティアの受け入れ態勢の整備等、団体の活動サイクルが円滑に回っている点が高く評価されました。
「花で明るくきれいな街並みに!」
幅広い世代が応援する校区あげての花づくり
【活動場所】東区箱崎校区内の街路花壇 100㎡(延長約600m、36箇所)
【会員数】12名
【活動開始時期】平成20年
【活動頻度】2回/月(植替え…2回/年、草取りと水やり…随時)
【活動のきっかけ・目的】
街路樹が枯れて雑草が繁茂し、ゴミが捨てられている状況にあった道路沿いの植樹帯において、当時の自治連合会長を中心に花づくり活動を開始。この活動により地域の環境美化を進めるとともに、住民の環境に対する意識を高める事を目的として活動を続けている。
【評価された点】
街路樹が枯れ、雑草が繁茂し、ごみが捨てられているというマイナスの環境から活動をスタートし、その後も点在している花壇への水やり等の非常に苦労があるなか、花期が長く見栄えのする一年草で地域の道路沿いを彩る花壇管理を地道に長年継続していることが、規模感やデザインだけではなく評価されました。
最近では地域の小学生やPTA巻き込んだ活動に発展しており、地域の環境を守っていく次世代の育成にもつながっています。
地域、PTA、児童とみんなでつくる
小学校外花壇「思いやりロード」
【活動場所】中央区高宮小学校の外花壇 117㎡(延長122m)
【会員数】15名
【活動開始時期】平成23年
【活動頻度】1回/月(植替え…2回/年、草取りと水やり…随時)
【活動のきっかけ・目的】高宮小学校PTAの環境美化委員が手入れをしていた小学校外周花壇を、花づくりに詳しい地域の有志がサポートするために活動を開始。多くの人が行き交う小学校の外花壇を整備することで、自分達の住むまちを明るく元気にすることを目的に活動を行っている。
【評価された点】
地域の有志である団体、児童、PTAが力を合わせての活動であり、学校の協力体制も整っているなど、成熟してバランスがとれた無理のない花壇活動が長年続けられています。
毎年5年生が11月中旬にチューリップの球根を植え、綺麗に咲いた花で卒業生を送り出し、新1年生を迎える活動や、小学校の外周花壇整備を通じて地域のまちづくりに大きな影響を与えている活動は、小学校における花づくりのモデルとなる活動として広めていきたいと、今回の受賞につながりました。