風にのって
秋も深まりつつありますが、皆さん風邪は引いていませんか?
私は少しのどがいたくてやや風邪気味です。
風邪といえば風ということで、今日は少し風のお話をします。
木枯らしとは読んで字のごとく、木を枯らすほどつめたーい風・・・
という説もありますが、落葉の季節に併せて「枯れ」という表現が使われたのかもしれません。
また、強風で木が倒れたりと、あまり植物と風の相性は良くないように思えてきます。
しかし、(一部の?)樹木にとってはなくてはならないものなのです。
それはなぜかというと、風があれば遠くまでタネを飛ばすことが出来るからです。
タネをとばす方法にはいくつかあります。
例えば、
①動物によるもの・・・リスに運んでもらったり、鳥が食べて、違う場所で糞をするなど
②風によるもの ・・・羽毛や翼を持っていて、風に乗って運ばれる
③重力によるもの・・・そのまま落ちる。
その中でも風によるものは遠くまでタネをとばすことが出来る方法の一つです。
代表的なものとしては、木ではありませんがやはりタンポポでしょうか。
皆さんも一度は、ふーっ、と息をかけてとばしたことがあるのではないでしょうか。
私は風で運ばれるタネといえば、モミジを思い浮かべます。
この季節、紅葉の代表といっても良いモミジですが、タネにも大きな特徴があります。
(素材三昧:http://sozaizanmai.com/)
モミジのタネには翼が付いていて、落ちるときにくるくると回りながら落ちます。
こうやって、ゆっくりと落ちることでその間に遠くまで飛ぶことが出来るのです。
種は遠くに飛ぶ方が、広く仲間を増やすことが出来るので有利に思えます。
しかし、種が空を飛ぶには種が軽い必要があるため、種の栄養が少なくなります。
そのため、種がとおくの地面に付いたとしても発芽しにくいのです。
これは動物によって運ばれる種も同じです。
このような種類は果肉が消化液で溶かされることによって、種が発芽する状態になりますが、
長く体内にとどまると、消化液などが働きすぎて、逆に発芽しにくくなると言われています。
その反面、遠くに飛ばす術を持っていないような重力による方法は、たっぷりとした栄養で、
親が生きている環境に種を落とすことが出来るので、発芽しやすいそうです。
発芽しやすさを取るか、
遠くまで届く技術を取るか、
必死に生きる術を考えて進化してきた植物のしたたかさを感じました。
緑地環境課のもっちゃんがお送りしました~。