バレンタインの木
寒さも少しずつ緩み、春の訪れが待ち遠しく思えます。
ただ、10日前から早くも花粉症の時期到来となり、そのうえ黄砂まで飛来して、マスクを
手放せない鬱陶しい毎日にうんざりしています。
さて、今日は偶然にバレンタインデーですね。
それにちなみ『縁結びの木』といわれ大変縁起の良いナギをブログテーマにしました。
いにしえより霊場であった熱海市伊豆山神社では、鎌倉幕府(1192年)を開いた源頼朝が
平治の乱後、この地に配流されていたとき北条政子とナギの木の下で逢瀬を重ね結ばれたという
ロマンスも生まれ、そのエピソードによりナギが縁結びの神木とされる所以です。
良縁か悪縁かは存じませんけど、ふたりの出逢いが日本の歴史を大きく変えるとは、まさに
神のみぞ知るハプニングでした。
福岡市内の縁結びで名高い飯盛神社(西区飯盛609番地)のご神木もナギであり、本殿の左側
に祀られ樹齢は350年、幹周りは2.3m、樹高は14.0m程(推測)の大樹です。
飯盛神社本殿 ご神木の標示 ご神木のナギ
現在、飯盛神社には縁結びのお守りとしてナギの種子セットが販売され、室内で幼木に成長させる
ことができるそうで、社務所にあるナギの可愛らしいサンプルにはおどろきです。
本殿の右側にもナギが2本(高さ4.0m余)献木され成長しており、いずれは神事の玉串に
ナギの葉を使いたいと、宮司の牛尾さんからご神木に関する詳細なお話しを伺いました。
さらに、飯盛山の中腹に位置する中宮にもナギが1本植えられています。
ここのご神水を汲んで持ち帰るひとが平日に係わらず多く見られました。
平成14年に再建された中宮の大鳥居(アルミ合金製)は日本一の偉容を誇ります。
ナギの葉 子孫繁栄と五穀豊穣の盃状穴石 中宮の大鳥居と神明造りの社殿
・ナギ:梛または竹柏、別名はコゾウナカセ・チカラシバ、マキ科の常緑高木、中央に主脈は
なくて平行脈を多数もつ葉が特徴、中国の海南島や台湾に自生するが、太古黒潮に乗り南紀・
四国・九州など温暖地方へ定着し、中世の熊野信仰に基づき各地の神社で植えられました。
ところで神事の玉串は、古くから一般的にはサカキですが、奈良市春日大社ではナギを用い、
岡山県ではヒサカキやソヨゴを代用しています。
なお、京都市愛宕神社などの神事には榊ではなく、本来は仏事に欠かせない木であるシキミ
が使われており地域によって様々ですね。
サカキ(結実) ヒサカキ
・サカキ:榊または賢木、ツバキ科の常緑小高木、降神の目印や依代として神事の祭壇・
神棚に欠かせない木です。
・ヒサカキ:非榊または姫榊(榊の代替)、ツバキ科の常緑小高木、どこの山(森林)
にも生えています。
榊と比べ葉は一回り小さくて鋸歯がありすぐに見分けがつきます。
・ソヨゴ:冬青(名前は風にそよぐ木という意味)、モチノキ科の常緑小高木、葉にタン
ニンが含まれており染料に利用され、また算盤の珠にも使われます。
・シキミ:樒または梻、別名はハナノキ・ハナシバ・仏前草、シキミ科の常緑高木、鑑真
和上が天竺より請来したといわれ、弘法大師は密教の修行にもちいました。
おまけ(聖なる木の葉)
愛するひとからのチョコレートは如何でしたか?
この日にまったく縁がない諸兄へ聖なるハート形の葉(菩提樹)3点セット写真を謹んで
プレゼントいたします。
科の木 菩提樹 インド菩提樹
今回もまたまた社寺巡りとなって恐縮の至りです。
ブログ担当は六度総務課経理係のOldManでした。