あしゆ

 今見られる花は何だろうと考えた結果,紫陽花,菖蒲,百合の花を見に行くことにした。

 さて,どこに見に行こうか,唐突ではあるが,今年は北九州市制50周年ということで,昭和38年2月10日に旧五市(門司,小倉,八幡,若松,戸畑)が対等合併で誕生し,政令指定都市に同年4月1日に指定されている。50周年を記念して,今まであまり行く機会がなかった若松,戸畑へ向けて出発した。

 まずは,あじさい祭りがある若松の高塔山公園へ。40種,3万本のあじさいが見られるそうだ。標高124m,展望台から見る若戸大橋など洞海湾の眺めはすばらしい。

 

     

 

 次に,戸畑の夜宮公園へ。2万株の菖蒲,池の回りには種類毎に植えられた菖蒲をスケッチする人や,写真撮影する人がいた。

 ちょうど,とばた菖蒲まつりが開催されていて,階段を上がった広場に食べ物屋のテントが並んでいて,多くの人で賑わっていrた。

 また,公園の外側には,とばた1万歩コースがあり,ウォーキングする人も大勢いた。

       

                              

最後に,地名が百合ヶ原である直方市,ふくち山麓はな公園へ。行ってみると,色とりどりのユリが鮮やかに咲いていた。野生のササユリもしっとり咲いていた。

 ユリの語源には,諸説あるが,茎の割には花が大きくて,風に揺れるので,「ゆる」から「ゆり」になったというのが最も一般的な説である。一方ユリの球根は鱗片の寄り集まりなので,「寄り」が転訛したとか,結合した意味の「結る(ゆる)」に由来すると言う見方もある。

 ユリは花形や花の姿勢によって大きく四つの系統に分けられ,ラッパ状の花が横向きに咲くテッポウユリ系(他にオトメユリ),漏斗状(じょうご)の花が横向きに咲くヤマユリ系,茶碗状の花が上向きに咲くスカシユリ系(他にヒメユリ),花弁が著しく反転,下向き,斜下向きに咲くカノコユリ系(他にオニユリ)がある。

 有名なことわざで「立てば芍薬,座れば牡丹,歩く姿は百合の花」というのは,江戸時代中期の俚諺書「譬喩尽(たとえづくし)」にある。「立ち姿はすらりとしたシャクヤクの花のようで,座っている様子はあでやかなボタンの花のようで,そして歩いているときは,そそとしたユリの花のようだ」というのであり,どの面から見ても美しいということ。「君の寝姿 窓から見れば 牡丹芍薬百合の花」ということわざもあるようだ。