どんぐりの思い出
むかしむかし、私がこどもの頃住んでいた家の裏には里山がありました。
秋になるとたくさんのどんぐりが落ちていました。
幼い私はそれを夢中で拾い、大きな引き出しに大事にしまいました。
それはこども心にとっても豊かな気持ちになるものでした。
幸せな気持ちを確かめるために、引き出しを開けると
たくさんのどんぐりとともに、クリムシが出現!
幸せな気持ちは、一気にかき消されたのでした。
そして時は流れ、大人になった私は、どんぐりの木を育む森の近くに住んでいます。
幼かったわが子達は、幸せな気持ちでどんぐりを拾い、
やはり引き出しの中に大事そうにしまっていました。
私は、クリムシの記憶がよみがえり、
こどもに知られないよう、密かにツツジの木の下に放っておきました。
そしてそのままどんぐりのことは忘れていました。
しばらくすると、見覚えのある葉っぱが出現。
どんぐりが芽を出していました。
でも、芽を出した場所は窮屈なツツジの木の下。
何年経っても小さいままでした。
つい2ヶ月前、うっそうとしたツツジの木を思い切って剪定してみたところ、
どんぐりは葉を茂らせ、芽を出して以来はじめて存在感を主張してきました。
***下の写真が、芽を出して10年もののどんぐりの木です。***
(植物って自分で動けないので、芽を出した環境で運命が決まるのだと実感)
余談ですが、たまに釣りにいく息子(虫ぎらい)、クリムシをえさに川釣りをします。
これで40年にわたる、たわいないどんぐりの話はおしまい。めでたしめでたし・・・かな
みどり課 企画推進係