紅葉とヒートアイランド現象
街路樹や公園の落葉樹はすっかり葉を落として冬景色ですが、
今年も様々な色に紅葉し、私達の目を楽しませてくれました。
紅葉についてはお気づきの方もおられるかと思いますが、
郊外と都心では紅葉の時期に少しずれがあります。
ケヤキやイチョウなどを見ても、郊外では多くの木が一斉に紅葉するのに対し、
都心では郊外より少し遅れて、木によってまばらに紅葉する様子も見られます。
ヒートアイランド現象が起きて、都心部での年間平均気温が高くなっており、
冷え込みが遅れて都心部だけ秋の訪れが遅くなっているものと考えられますが、
ここに面白い写真があります。
これは、中央区天神の街路樹、後野福岡線のイチョウ並木です。
画面右が北で、この道路は須崎公園の南に面しています。
写真をよく見ると、公園に面した部分のイチョウだけ落葉が早く、葉がなくなっています。
原因として、
部分的に風が強いので葉が落ちやすい、また樹木の個性(個体差)
ということもありますが、
公園緑地の存在が都市のヒートアイランド現象の緩和に効果がある、
ということがわかっています。
(外部リンク:都市における緑地の気象緩和作用についての実証的研究)
須崎公園より北は博多湾まで背の高い建物がなく、海からの北風が入りやすい
また公園内には樹木が多く存在し、噴水もあるので蒸発散により周囲の熱が奪われる
これらの効果で公園内と隣接する部分の年間平均気温が低くなり
その部分のイチョウは郊外なみに落葉時期が早くなった
とも考えられます。
局地的な現象ですが、都市公園の存在効果の、ひとつの説明になるのかな?と考えています。
みなさんも、なにげなく存在する公園や街路樹の木々に目を向けてみてください。
思わぬ発見や、そこから広がる認識世界を体験できるかもしれませんよ?
それでは。次回をお楽しみに!