このコンテストは、花や緑に関する写真の募集や展示会を通し、緑の普及啓発を図ることを目的に平成12年度から取り組んでいるものです。
福岡市内のまちかどの花や緑、自然のなかでの遊びやくらしなどをテ-マにした写真を対象としています。
平成24年は過去最高の349点の応募があり、審査を行った結果、ここにご紹介する25点の受賞作品が決定しました。
講評
審査委員長 松下 則通
今回の応募総数は349点と、昨年より63点も増えました。応募人数も前年より29人増の148人。いずれも過去最高です。
「さくら」部門が119点、続いて「まちかど」105点、「しぜん」80点、「くらし」45点の順でした。
審査には西日本写真協会役員や福岡市緑のコーディネーターを含めた5人が携わり、昨年と同様に、まず各部門の特選4点を選定し、その中から最高賞の推薦を厳選しました。
推薦は福岡市博多区の松尾芳一さんの「休息」です。当初の「しぜん」部門の特選でした。真紅と紫を主としたカラフルな画面に浮かび上がる黄と薄茶のチョウに、グッと引き付けられます。主題となるチョウを画面中央より、ちょっぴり上に配置したのも構図的にバランスがとれました。シャープなピントにも敬服です。
特選「さくら」部門は、同市中央区・宮原秀子さんの「春の宵」です。照明に映えるサクラを画面左3分の2に配し、右奥に福岡の象徴ともいえるライトアップされた福岡タワー。これまで余り目にしなかったアングルの秀作です。
同「しぜん」部門は、同市南区・丸山徳子さんの「波紋」。タイトルどおり、実に鮮やかな波紋が目を引き付けます。画面左上の椿らしき赤い花と緑葉、画面右下の暗い部分が主題を一層浮かび上がらせ、画面を引き締めました。
同「まちかど」部門は、福岡県筑紫野市・白川雄二さんの「花のじゅうたん」。画面全体がブルー系一色。海の中道海浜公園の一コマですが、土手を覆う花々が圧巻です。ニョッキと出た赤紫色の野草と、点景の人たちとのバランスもいい好作品。
同「くらし」部門は、福岡県春日市・伊藤蓉子さんの「都会のオアシス」。木陰で憩う女高生たちか。真上から狙ったナイスショット。画面の大半を覆う緑の樹木の間から女高生の弾んだ会話も聞こえてきそう。このコンテストにふさわしい作品でした。
今年は応募総数とともに、タイトルどおりの秀作が増えました。併せて女性応募者も目立ちました。今回の特選以上の5点のうち、3点が女性だったことでも顕著でした。次回も多数の応募作品をお待ちしています。
松尾 芳一
自宅から山王公園まで散歩中、タタミ二畳ほどの花壇にビルの谷間から朝の光がスポットライトのようにサルビアと羽を休めている蝶にあたり幻想的でしたので、望遠レンズで、ビル、看板、車を避けて、自然をイメージして撮りました。
伊藤 蓉子
夏の日ざしは朝から肌をさすようにつよい。大人も子どもも緑のある水辺を求めてやって来る。この日、博多キャナルシティにも、たくさんの老若男女が集まっていた。まるでそこは、オアシスのようでもあった。午後のひととき、女学生達が水辺で話しに夢中になっている。明るく爽やかささえ感じれる光景をとらえました。
足立 勝昭
海の中道海浜公園は広大な敷地に四季折々の花が咲き可愛いい動物もいる、写真を愛する者にとっても魅力あふれる所です。この日はチューリップが満開で、そこにパッと花が咲いたような若い女性のグループが楽しそうに話の花を咲かせておられたので、撮影許可を頂いて一枚撮らせて頂きました。
矢野 敬一
大きな木々の下で、左から右から、何かが飛び回っている。まさしく森の妖精たち。その様な所が福岡市にあるとしたら、何と素敵でしょう。探しに行ってみませんか?もしかしたら出会えるかも知れません。そんな福岡は夢一杯のまちではないでしょうか。
引続き夢を追い、花と緑のまちかどを撮っていきたいと存じます。
藤村 俊和
6月の梅雨入り前の日曜日に孫達家族と一緒に自宅近くの舞鶴公園に散歩に行った花菖蒲園で孫の写真を撮っている所を反対側から花菖蒲を前景に撮影、若い家族の幸せそうな雰囲気が出せたと思います。
水﨑 洋海
人々の暮らしと、博多の伝統的な祭り「博多どんたく港まつり」が大きな関わりを持っている事を、伝え度いと思って、撮りました。
これからも撮り続けて、更に人々の暮らしに、根付いて行く事を、願っています。
宮原 秀子
毎年、舞鶴公園の華やかな桜を楽しみにしています。夜のライトアップ時はさらに美しく、別世界のようです。この日は太陽が沈んでまだ薄明かりが残る中、福岡タワーもくっきりと輝いていました。暗闇が迫る中、夢中で撮った一枚です。
宮地 敏雄
伝統のある花と緑のまちかど写真コンテストに挑戦するに当たり、今までかなり撮り盡くされていると思われますので、ここは発想の転換をして工夫を重ね、私なりの撮影ができたと思っています。
伊藤 忠
春爛漫の4月1日、前日夕方のニュースでベイサイド行きの花見遊覧船が運行されていると報じていたので早朝から出かけて行った。
その船は中央公園横の出会橋付近に停泊していたので旧城山ホテル横辺りで待機していたら程なく満員の乗客を乗せてその船はやってきた。船はもう少し小さく写っていてもよかったと思う。
海老原 信夫
4月2日満開を迎えた舞鶴公園は多勢の花見客で賑わっていました。城趾の高所に登り一望すると、福岡の街が桜に覆われ、花で化粧しているかのように華やいで見えました。
古人(いにしえびと)も代々この景観により英気を養われていたかと思いをはせました。
藤野 圭一郎
市美術館への帰り、人の流れで桜の花に気付きました。しかも満開のようです。お昼で「花より団子」ならぬ皆さん方の気持ちはお弁当のようでした。当方も弁当を買い何十年かぶりに桜の下でゆっくりしました。その場所から広角のみのカメラでうまく収まりそうです。たて、よこ何枚か撮った中の一枚です。
丸山 徳子
舞鶴公園は、桜・ハス・新緑・紅葉など1年を通して、時間があれば、カメラをもって出かけています。今回、いつも撮っている場所と違うスポットを偶然見つけました。写りこみがよかったので、晴天の日は、何度も出かけカモの波紋が大きくなるのを待って撮りました。椿も咲いていたので、花を手前にぼかしました。
内田 善雄
撮影場所は天神からほど近い赤坂3丁目バス停の北側の舞鶴公園内(福岡城址内)です。
福岡都心のすぐ近くですが、ここら辺りは緑が多く、特にこの大木の周りを散歩することで心のリフレッシュができます。とても落ち着ける場所です。
佐野 貞昭
私の好きな撮影スポットの平尾新地で蓮の花の撮影をしていたら突然鷭の親子が現れました。
思いがけない被写体を一生懸命撮影しました。余り人を恐れない感じで周囲の方々が優しく見守っておられる感じがしました。都心のこういう環境をいつまでも残したいものです。
宮邉 政城
香椎神宮周辺の散歩で池の亀の甲羅干しをよくみかけます。時には上手に並んだポーズに見とれてしまいます。
亀の長寿にあやかる祝いことばとして「鶴は千年亀は万年」また謡曲の「鶴亀」の一節に「庭の砂は金銀の・・・池の汀の鶴亀は蓬来山も外ならず・・・」が頭に浮かんでまいります。
白川 雄二
海の中道海浜公園では、毎年、春にフラワーピクニックが開催されています。当日は、チューリップ目当てに出掛けましたが、ちょうとネモフィラも満開となっていました。花の丘を下から見上げたところ、真っ青なネモフィラが空に向かって広がり、まるで花のじゅうたんの様でした。より高さを出すため縦写真としました。
石村 國男
色とりどりの満開の梅だよりを聞き、早朝の舞鶴公園にカメラを構えたものの小雨がポツリポツリ、今日の撮影は駄目かなと思った矢先、紅い傘を手にした御婦人が梅見がてらの早朝散歩、頭に描いた構図になった時シャッター、画題と写真が同時に作品としてできました。
原 誠一
都会の中心にひっそりと存在する清らかな場所。華やかに賑わう年中行事が行われていない日の住吉神社からは何時も静かな時の流れにふれる事ができます。魚眼レンズによる歪みがあまり不自然にならないように心がけ、太陽の位置も微細に調整しました。都会の聖域で小さく響くシャッターは、とても優しい音をしていました。