このコンテストは、花や緑に関する写真の募集や展示会を通し、緑の普及啓発を図ることを目的に、平成12年度から取り組んでいるものです。
福岡市内のまちかどの花や緑をテ-マにした写真を対象としています。
平成27年度は296点の応募の中から、以下の受賞作品が決定しました。
講 評
審査委員長 松下 則通
例年と比べ、より優れた応募作品が増えた16回目の審査でした。今回も福岡市緑のコーディネーターや西日本写真協会役員などで厳選し、各部門の特選4点から最高賞の推薦を決定しました。選定にあたっては「ピント」「構図」のほか、仕上げのプリント具合などを見極めながら進めました。
【推薦】 矢野敬一さん「古木の誇り」
年輪を重ねた幹に落ちた花びらに目が引き付けられました。画面上部の盛り直後であろう淡いピンクの桜、老木の根が見える地面にも広がる花びら…。まさに作者の狙いどおりのタイトルと構図で、秀作となりました。
【特選「まちかど部門」】 濱咲誠さん「秋たけなわ」
超広角レンズで、濃いピンクのコスモスに大胆に迫った好作品です。甘い香りが見る側まで伝わってきそうです。観覧車はなくなりますが、それも意識されていたのでしょうか。
【特選「しぜん部門」】 関東博子さん「梅園の住人」
緑や白っぽい苔に囲まれ、顔を出した鮮やかな鳥。よく茂った広葉樹林に姿をみせるヤマガラでしょうか。文句のつけようのない構図です。画面全体の色彩も良かったですね。
【特選「イベント部門」】 塚野美津子さん「春のロンド」
素直な作品だ、が率直な印象です。花壇のカラフルな花々で画面の大半を占めた構図がいいですね。左上に見えるビル群で街なかだとも理解できます。人物の配置も適切でした。
【特選「さくら部門」】高鷹るみ子さん「夕刻に散る」
“動感”あふれる見事なショット。スローシャッターが実に効果的でした。強く吹く風に舞い散る、まさに「桜吹雪」。暗っぽい背景が、狙いの花びらをうまく浮き立たせました。
応募総数は昨年より30点ほど多い296点、応募者数126人でした。部門別の応募では「まちかど部門」が113点で最も多く、「イベント部門」はわずか19点と、昨年同様に最も少ない結果となりました。そのため、同部門の佳作も該当なしとなりました。
次回はイベント部門を含め、数多くの作品が寄せられることを担当者一同でお待ちします。
矢野 敬一
「どうだい?今年も花いっぱいだろう?こうして、みんなに楽しんで貰う、それが生き甲斐、誇りなんだ。」と古木の声が聞こえます。少し傾いたけど、堂々として花を輝かせる古木が、梅林の大階段を上がった所にいます。会いに行ってみませんか?もし出会えたら、あなたを歓迎する古木の声が、聞こえることでしょう。
(舞鶴公園)
濱咲 誠
秋晴れの日に海の中道海浜公園へ出かけました。大観覧車を背景にコスモスを撮りたくて、大観覧車がボケ過ぎないようにレンズの絞りを絞るなどいろいろと試みました。10月午後の陽光を浴びてコスモスがピンクに輝くのが印象的でした。コスモスの円と大観覧車の円の並び具合を気にかけながら撮った1枚です。
(海の中道海浜公園)
伊藤 敏
福岡市の中心地、天神は車の排気ガスと雑踏で息が詰まりそう、そのすぐ近くにオアシスともいえる天神中央公園がある。階段上のアクロスの森を背景に広々と敷きつめられた芝生の鮮やかな緑、家族連れで弁当を楽しみ、カップルは愛を語り合い、両手を広げて未来を夢見る、多くの人々がここに集い心を癒す、貴重な憩いの場です。
(天神中央公園)
小島 博
池の辺を散策してふと見詰めると、6月なのに秋模様に染まった葉上に、朝露がきらきらと輝いていた。何となくその印象が、私には美しく感じた。季節の移ろいに浸りながら撮った記念すべき1枚の思い出です。
(舞鶴公園 お濠)
河口 久美
赤煉瓦の福岡市文学館。ここに色とりどりの花壇の花が加わり、とても色鮮やかで美しい光景が広がっており是非これを撮りたいと思いました。低めのアングルから撮影し、お花の魅力がより引き出せるようにしました。
(福岡市文学館)
塚野 克彦
久しぶりに小春日和の日差しが温かく感じられ、ひと時の陽気に誘われてか、閉じこもりがちの多くの家族や若い人が最後の紅葉を楽しんでいる中、一隅ではひっそりと物静かに過ぎ行く季節を楽しまれている人が、周りの喧騒と対比し特に印象深く感じられたので、そのさまを表現できるように撮影しました。
(舞鶴公園)
関東 博子
舞鶴公園は街中にあって一年中、花や野鳥の姿を楽しめる憩いの場所です。
この写真も梅の花の撮影に出かけた時に撮りました。
公園では梅の花を楽しむ人に混じって、メジロ、シジュウカラ、ジョウビタキ等の姿を見ることができます。このヤマガラも梅を楽しんでいるかの様にモデルになってくれました。
(舞鶴公園)
本田 優子
前日の雨で足元が心配でしたが、油山の桜も今がちょうど見頃と聞いて登ってみました。霧の中にしっとりと咲いた幻想的な情景にうっとり。いつもと違った表情の桜に出会えて感動しました。
(油山)
梅本 弘
黄金色の帽子を被りまるでラグビーボールのような別名「ほうき草」なんとも生き生きとして爽やかな光景だ。真っ昼間の光に満ちた時よりも光と影の相接するまさにこの一刻、逆光に照らされ濃い陰影となり自然が息づく生命の実相とも見えた。私の感性に合うやり方で切り取り写真化し私の風景とした。
(海の中道海浜公園)
西畑 修
警固公園で開催されていた「福博花しるべガーデニングショー」に行きました。最終日の前日だったので寂しい感じを受けつつ、今回はイベント部門をターゲットに主役を探して公園内をウロウロしていたところ、天使がバイオリンを奏でながら花に語りかけている様子を発見しました。それがこの写真です。
(警固公園)
橋本 禎寛
見ごろをむかえた舞鶴公園の藤棚では、散歩をしたり、のんびり過ごしたりと多くの人々が訪れています。
満開の藤の下、春を楽しんでいる様子を、うまく表現できたと思います。
(舞鶴公園 藤棚)
伊藤 喜亮
福岡の美術館を訪れた際、夕食までに時間ができたので、舞鶴公園を散策してみました。空が濃い青に染まり、風に揺れる桜に妖艶さを感じました。ライトアップの光がブルーになるのを待ってシャッターを切りました。
(舞鶴公園)
今津 盛一
例年、楽しみにカメラ片手に訪れる場所です。特に春の桜は素晴らしく市民としても誇りです。又、城跡は当時に思いを馳せる事のできる楽しい所です。満開時に訪問する事は難しいですが、今年はみごとな桜に出会う事ができました。
(舞鶴公園)