このコンテストは、花や緑に関する写真の募集や展示会を通し、緑の普及啓発を図ることを目的に、平成12年度から取り組んでいるものです。
福岡市内のまちかどの花や緑をテ-マにした写真を対象としています。
平成29年度は247点の応募の中から、以下の受賞作品が決定しました。
講評
審査委員 松下 則通
4部門賞を廃した新たなコンテストは2度目になりました。今回の応募件数は247点、応募者数105名。ともに前年とほぼ同数でしたが、新規応募者が51名と半数を占め、新鮮な感覚で皆さんの作品を拝見しました。
審査は、西日本写真協会役員2名、福岡市緑のコーディネーター2名、市・協会職員それぞれ1名の計6名が時間をかけて作品を厳選し、下記のとおり決定しました。
【大賞】 飯田 清士さん「ピンクカーペット」
小雨にもあおられ、散り始めた桜の木で上部を覆い、鮮やかなチューリップが咲く遊歩道にほどよく散った花びらが…。広角レンズの特性を生かした引き締まる画面に引き込まれそうです。画面中央の点景となった紅白の傘を差すカップルらしき後ろ姿がポイント。構図や色彩も問題なし。このコンテストにふさわしいナイスショットです。
【特選】 宮原 秀子さん「雪の朝」
画面全体を覆う濃いシアン系色が印象的。早朝ならではの色あいがいいですね。積雪の中での露光は容易ではなかったのでは、とも思われます。雪被りの花木が「寒さに負けないぞ」と踏ん張る姿も狙いの一つだったのでしょう。
【特選】 片島 京子さん「初夏」
太陽と青空、ビルを背景にしたリュウキュウアサガオでしょうか。逆光線を通してわずかに浮かぶ花を狙った着眼点に敬服。太陽の処理方法にひと工夫あれば、との声もありましたが、花に逞しさも感じる好作品です。
【特選】 林 帰那さん「希望」
上部に青空、中ほどはビル群と湖面、下部はヒマワリを配した構図。いつ、どこで撮影したかが一目瞭然です。順光ながらも平板にならなかったのは、太陽に向かった勢いのあるヒマワリでした。画題も良かったですね。
「佳作」の規定は12点以内でしたが、今回は10点になりました。上位を逃した作品で目立ったのは、今回もトリミングでした。前回も申し上げたように、狙った被写体をより強調できるトリミングによる「引き算」を是非、心掛けてください。また、このコンテストは福岡市内の「花や緑のまちかど」を題材に、都市緑化の普及に活用する目的でもあります。次回もより分かり易い作品を気軽な気持ちで応募してください。お待ちしています。